暴落について調べた5本のうち、3本目です。1本目は米国の信用買い残高(燃料の量)、2本目は先行指標(火種の場所)と、ここまでは全部アメリカの話でした。今回は日本の話をします。
1987年のブラックマンデー以降、米国株が大きく崩れた11の局面を全部並べ、そのあいだ日経平均がどう動いたかを数えました。結論から書くと、米国株が崩れて日本株が無傷だったことは一度もありません。11局面すべてで日経平均は下げています。
ただし下げ幅のばらつきが大きく、S&P500の0.3倍で済んだこともあれば1.6倍下げたこともある。そしてそのばらつきを決めていたのは、株ではありませんでした。
円です。円高を伴った局面(2007-09年は117円→98円、2015-16年は124円→112円)では日経がS&P500より深く下げ、円安が進んだ2022年(115円→147円)は日経の下げがマイナス8%と、米国のマイナス25%の3分の1で済みました。日本株は実質的に「円の逆張り資産」です。
いちばん意外だったのは、円換算したS&P500でした。リーマンのとき、日経平均はマイナス59%。ところが無ヘッジで米国株を持っていた日本人の損益はマイナス63%で、日本株より深かったのです。2011年も日経マイナス13%に対し円換算S&P500はマイナス24%。「日本株が危ないから米国株に分散」は、円高局面では効きません。
note記事では、このほかに次の内容を扱っています。
- 法則に合わない例外3つ(1987年=日本のバブル継続中、1990年=日本のバブル崩壊、2000年=日本にもITバブルがあった)はすべて日本側の事情で説明がつく
- 連動性は年々上昇。相関は1990年代0.39→2010年代0.66、直近36か月のベータは1.05
- S&P500が1日で3%以上下げた118回のうち、翌営業日の日経平均は84%の確率で下落、平均マイナス2.4%
- セクター別(2008年以降8局面の平均)― 深いのは金融・鉄鋼非鉄・電機精密・銀行・機械・自動車、浅いのは食品・電力ガス・運輸・医薬・小売
- ただし2022年の金利ショック型では銀行マイナス3%、商社0%、エネルギーはプラス12%と順位が逆転する
- 今の条件(ドル円157円、日銀1.25%、FRBも9/16に利上げ、日経65,000円台のAI・半導体主導)をどう読むか。2024年8月の円キャリー巻き戻しでは3週間半でマイナス25%、1日でマイナス12.4%だった
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▶ 第1回「株を買うための借金が、アメリカで史上最高の1兆4,540億ドルになりました」
▶ 第2回「社債のスプレッドが暴落の先行指標はウソでした」
なお、これは公開データを並べて考えたことであって、相場の予想ではありません。数値はすべて2026年9月22日時点のものです。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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