不正売却4,372億円 ― 証券口座を守る7つの対策に、VPNが1つも入っていない理由

経済・ニュース速報

証券口座の乗っ取り対策をまとめた動画の最後に、「今すぐやっておきたい7つの対策」というスライドが出てきました。パスワードログインの無効化、Google・Appleのアカウント、専用メールアドレス、リンクを踏まない、パスワードを別々にする、通知をONにする、資産を動かせない状態にする。

見ていて、あることに気がつきました。この7つに、VPNが1つも入っていません。

私はこの3日間、noteでVPNの話を3本続けて書いています。その直後にこのスライドです。ただ、入っていないのは手抜きではありません。正解です。

金融庁の最新の集計では、2026年9月までの累計で、不正アクセス19,252件、不正取引10,642件。金額は不正売却が約4,372億円、不正買付が約3,837億円。合わせて約8,209億円が動かされました。2025年の1年間だけで7,393億円です。

ここで大事なのは金額ではなく手口です。この19,252件は、通信を盗み見られて起きたのではありません。偽サイトでパスワードを入力させられたか、他社から漏れたパスワードを使い回していたか、そのどちらかです。つまり破られているのは経路ではなく、認証です。VPNが守るのは経路であって、認証ではありません。だから7つに入っていないのです。

そして、もう1つ。補償は原則50%で、しかも利用者側の対策の状況を踏まえて個別に判断されます。対策とは、資産を守るためだけでなく、万が一のときに補償を減らされないための準備でもあります。

記事(第1回)では、次の内容を扱っています。

  • 「パスキー必須化」の意味が、会社によって4段階に分かれている。取引と出金まで必須の会社と、ログインだけで、しかもパスワードの口が残っている会社がある
  • 公式FAQに書かれている「原則必須化」の正体。必須化されたのに、今もパスワードだけで入れる会社がある
  • 比較表に載っていない中堅・地場の証券会社がどの段階かを、自分で確かめる3つの方法。問い合わせ窓口での具体的な聞き方
  • Googleアカウントを先に守らないと意味がない理由。5分で終わるのに放置されている設定が1つある
  • 証券会社専用のメールアドレスが、フィッシングの見分け方そのものになる仕組み。Gmailのプラス記号では足りない理由
  • 7つの対策を、実際に手を動かす順番に並べ替える

「自分は資産が少ないから狙われない」が通らない理由も書きました。リスト型攻撃は自動で、網にかかるかどうかの話だからです。そして小さい口座には、盗む以外の使い道があります。

▶ noteで全文を読む

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先行するVPN/VPSシリーズの第3回は全文無料です。

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先行するVPN/VPSシリーズの3本もあわせてどうぞ。

なお、本記事は公表されている一次資料と報道を整理したものです。各社の仕様と補償方針は2026年10月時点のもので、短い間隔で変わります。実際に設定する前に、必ず各社の公式ページでご確認ください。特定の商品やサービスの売買・利用を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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