先日、スペインに行きました。通信はソフトバンクの海外Wi-Fiで、VPNは使っていません。その状態で、証券口座のアプリを開いて資産状況を見ました。
見えました。日本にいるときと同じように見えました。
便利でした。そのあとで気がつきました。見えたということは、このスマートフォンを誰かが手にすれば、同じものが見えるということです。
海外から証券口座にアクセスする記事は、たくさんあります。ほとんどが「海外からはログインできない、どうするか」という話です。ところが実際に起きたことは、その反対でした。
理由は単純です。ブラウザからの新規ログインは、海外IPや普段と違う環境と判定されて追加認証で詰まります。SMSが届かない、フリーダイヤルがかけられない。ところが出発前にログインしてあるアプリは、現地でもそのまま開きます。認証はもう済んでいて、それを端末ごと持ち歩いているからです。
つまり、入口は出国前にすでに作られています。だから海外での守りの重心は「認証をどう通すか」ではなく「端末をどう守るか」に移ります。
記事(第2回)では、次の内容を扱っています。
- 通知は4種類ある。そして最も早い警報は、売買の通知ではなく登録情報の変更通知。乗っ取りは、まず設定を変えてから売買するから
- 対策7「侵入されても資産を動かせない状態にする」の中身。出金先の固定で塞がるのは持ち出し口の片方だけで、もう片方は出金制限では止まらない
- 出発前にやっておく7項目。ロック画面の通知は見落とされがちで、しかも設定1つで直ります
- 端末を失くしたときの順番。証券会社より先に回線を止める理由
- 旅行と、転出(非居住者)の扱いは別の話。1年未満でも非居住者扱いになる会社がある
- そもそも、金融機関ばかりに置かなければいい。乗っ取られやすさを決めているのは資産の種類ではなく「名義を移すのに何人の他人の手が必要か」。ただし貸金庫は日本で現実に破られています
- 生成AIに保有銘柄を貼るときの線引き。AIの中は金庫ではありません
シリーズ4本の結論は1行です。経路を守る道具は、認証を守りません。そして今の攻撃は、認証を破っています。
記事の後半は、メンバーシップ「投資のネタ帳 急落に勝つ」の方に向けて書いています。月額500円、初月は無料です。2つのマガジン、177本の記事が読み放題になります。平日の引け後に書いている急落銘柄の分析と、経済金融の深掘りレポートが中心です。
先行するVPN/VPSシリーズの第3回は全文無料です。
▶ 10月1日、Claudeのアカウントが一斉に止まりました(全文無料)
昨日の第1回と、先行するVPN/VPSシリーズはこちらです。
- 不正売却4,372億円 証券口座を守る7つの対策に、VPNが1つも入っていない理由
- Firefoxに9月16日から増えたボタンの正体
- NordVPNの更新料は月2,013円、Firefoxは0円
- 10月1日、Claudeのアカウントが一斉に止まりました(全文無料)
なお、本記事は公表されている一次資料と報道を整理したものです。各社の仕様と補償方針は2026年10月時点のもので、短い間隔で変わります。実際に設定する前に、必ず各社の公式ページでご確認ください。特定の商品やサービスの売買・利用を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

コメント