【マーケット速報】2026年3月23日

投資戦略ラボ

【マーケット速報】日経平均 53,372円(3/19終値・週明け開場前)|ドル円 159.29円|NYダウ 45,577ドル(▼443ドル / -0.96%)※3/21米国時間終値

⚡ 本日の最重要ヘッドライン

 中東情勢が一段と緊迫しています。米国・イスラエルによるイラン攻撃が継続するなか、ホルムズ海峡は「事実上の封鎖」状態となり、北海ブレント原油先物は攻撃前の約72ドルから110ドル台へと急騰しています。原油高を受けてインフレ圧力が再燃し、市場ではFRBの年内利下げ見通しが消滅。日本では日銀が3月19日の政策決定会合で政策金利0.75%の据え置きを決め、週明け(3/23)の東京市場は引き続き中東情勢と原油価格の動向を注視する展開となっています。

原油急騰でFRBの年内利下げ見通し消える、米国債市場の有力戦略崩壊(Bloomberg・3月20日)


国内マーケット

日経平均:中東リスクが圧迫、週明けは波乱含みの展開

 先週(3/16〜19)の日経平均株価は447円安の53,372.53円で終了しました。2月末の米・イスラエルによるイラン攻撃以降、日本株は3月3日に3%超の急落、8日にも大幅安と乱高下が続いています。エネルギー価格の高騰で石油化学・航空・輸送セクターへの下押し圧力が強く、輸出関連銘柄も円安メリットを上回るリスクオフの売りに押されています。

 市場関係者によると、今週(3/23〜27)の日経平均予想レンジは49,500〜55,500円と広く、中東情勢次第で大きな振れが生じうる状況です。

来週(3/23~3/27)の日経平均株価の予想レンジ(ダイヤモンドZai)

【日本市況】株式が3%超下落、原油高でインフレ懸念(Bloomberg・3月3日)

ドル円:159円台で推移、日銀の政策制約が円安圧力に

 ドル円は159.29円(午前8時時点)と円安基調が続いています。日銀が原油高の影響を見極めるために利上げを見送ったことで、日米金利差は縮まらず、円の上値は重い状況です。輸入物価の上昇を通じて家計・企業のコスト負担が増加しており、実体経済への影響が注目されます。


海外経済

中東情勢:ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態、原油110ドル台

 米国・イスラエルは2月28日からイランへの共同作戦を継続中です。イスラエル軍は「6,000発以上の弾薬で2,500回の攻撃を実施、イラン防空網の約8割を破壊」と発表。イラン側は弾道ミサイル614発・ドローン1,906機を発射し、アラブ首長国連邦・クウェートを攻撃対象としています。ホルムズ海峡の航行を避ける船舶が相次ぎ、LNG・原油の輸送コストが急騰しています。

 日本は原油輸入の約95%を中東に依存しており、この海峡封鎖は日本のエネルギー安全保障に対する最大級のリスクとなっています。

中東で戦闘拡大、原油価格(ブレント先物)は110ドル台に(ジェトロ・3月9日)

イスラエル・米国がイラン攻撃~中東情勢が世界経済に与える影響について(日本総研)

米国経済:FRB年内利下げ見通し消滅、インフレ再燃リスク

 原油急騰がインフレ圧力を再燃させたことで、FRBの年内利下げ見通しが事実上消えました。市場では2026年5月のパウエル議長任期満了後の人事も含め、金融政策の先行き不透明感が高まっています。米国債市場では「デュレーション延長」という従来の有力戦略が崩壊し、短期債への資金シフトが加速しています。

原油急騰でFRBの年内利下げ見通し消える(Bloomberg・3月20日)


企業ニュース

エネルギー関連:原油高で勝者と敗者が鮮明に

 原油価格の高騰により、石油・天然ガス関連企業の業績上振れが期待される一方、素材・化学・輸送・航空セクターはコスト増による業績圧迫が懸念されています。また、日本国内では、日鉄高炉セメントと日鉄セメントが2026年4月に経営統合を予定するなど、エネルギーコスト上昇を背景とした業界再編の動きも見られます。

M&A:2025年は33兆円で7年ぶり最高、再編加速が継続

 2025年の日本企業によるM&A総額は33兆円と、2018年の29兆円を7年ぶりに上回り過去最高となりました。件数も1,344件と集計開始以来5年連続で最多を更新。中東リスクや円安・原油高が続くなか、2026年も防衛・エネルギー・素材分野を中心に再編が加速する見通しです。


政策見通し

日銀:政策金利0.75%据え置き、2会合連続で維持

 日銀は3月19日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.75%で据え置くと決定しました。高田創審議委員が1%への引き上げを提案しましたが、反対多数で否決されました。声明では「原油高が経済・物価に与える影響を引き続き点検する」と述べており、中東情勢が収束しない限り次回会合での利上げも見送られる可能性が高まっています。

 一方、コアCPI(生鮮食品除く)は原油高によって上振れリスクがあり、「物価は上昇するが利上げできない」というジレンマが日銀の最大の課題となっています。

日銀利上げ見送り決定、政策金利0.75%で維持 原油高の影響点検(日本経済新聞・3月19日)

IMF:日本政府に「消費減税を避けるよう」要請

 国際通貨基金(IMF)は日本政府に対し、消費税の減税を避けるよう求めました。「財政余地を狭め、財政リスクを高める」というのがその理由です。原油高による物価上昇を受けて政策的な家計支援の議論が高まるなか、財政規律との兼ね合いが焦点となっています。


🪙 暗号通貨マーケット

BTC(ビットコイン):10,874,576円 / 約$68,270 前日比 ▼2.53%

ETH(イーサリアム):328,702円 / 約$2,064 前日比 ▼3.24%

※価格はbitFlyer・Binanceのリアルタイムデータ(2026年3月23日午前取得)

本日の暗号通貨ニュース


著者コメント

 今週の最大の焦点は、中東情勢の長期化リスクです。イスラエル・米国によるイラン攻撃から約1ヶ月が経過しましたが、ホルムズ海峡の封鎖状態が続き、原油価格はブレント換算で110ドル台を維持しています。

 注目すべきは、この原油高がFRBとの関係に与える変化です。米国市場ではインフレ再燃への警戒から「年内利下げ」シナリオが消滅し、米国債の利回りが再上昇しています。通常、原油高は新興国・資源国を利し、日本のような資源輸入国を圧迫します。現在の日本はその典型的なパターンを辿っており、貿易収支の悪化・コスト高による企業収益圧迫・消費マインドの悪化という三重苦に直面しています。

 日銀が置かれた状況も厳しいものです。「輸入インフレ」は利上げで抑制できる性質のものではなく、むしろ利上げによる円高誘導でエネルギーコストを和らげる効果も限定的です。今回の据え置き決定は合理的とはいえ、物価上昇と金融緩和継続という矛盾を抱えたままの政策運営が続くことになります。

 投資家として今最も重要なのは、リスク管理の徹底です。地政学リスクが現実のものとなっている局面では、過去の相場パターンや平均回帰の期待は機能しにくくなります。原油価格の推移、ホルムズ海峡情勢、そして米国のイランに対する外交・軍事姿勢の変化を丁寧に追うことが、この局面を乗り切る上で不可欠な視点です。

 9:30現在、日経平均は2000円を超える大幅な下落となっています。週足のボリンジャーバンドの下限の47,000円付近までの下落を想定しておく局面でしょう。 

 佐賀大学名誉教授・和田康彦(投資歴25年)


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