【マーケット速報 2026年3月24日】日経平均 51,515円(前日比 ▼1,857 / -3.48%)※3/23終値|ドル円 158.38円|NYダウ 46,208ドル(▲631 / +1.38%)※3/23米国時間終値
⚡ 本日の最重要ヘッドライン
トランプ大統領がイランのエネルギー施設への攻撃を5日間延期すると発表し、原油価格が急落(一時1バレル98ドル台から85ドル未満へ)、NYダウは4日ぶりに反発しました。しかし東京市場では日経平均が1,857円安と大幅続落。ホルムズ海峡の封鎖懸念はなお払拭されておらず、マーケットの地政学リスクへの警戒は続いています。
→ トランプ氏がイラン攻撃を延期、原油価格下落で航空株が急騰(Investing.com)
国内マーケット
日経平均、1,857円安の大幅続落——中東リスクと円安で売り加速
3月23日(月)の東京株式市場では、日経平均が51,515円(前週末終値3/19比▼1,857円、-3.48%)で引けました。取引時間中には一時50,688円まで下落する場面もありました。イラン情勢悪化に伴う原油高と急激な円安が重なり、広範な売りが出た格好です。3月19日(前場所来の終値53,372円)からの下落幅は約1,857円に上り、2月末に戦闘が激化して以来、日本株の下落基調が続いています。
ドル円、158円台——日銀の政策制約が円安の下支えに
ドル円は158.38円前後で推移しています。3月19日の日銀金融政策決定会合で政策金利(0.75%)の据え置きが決まり、日米金利差は縮まらない状況が続いています。原油高・円安というダブルパンチが輸入物価を押し上げており、家計・企業へのコスト増加圧力が高まっています。
海外経済
NYダウ、4日ぶり反発——イラン攻撃延期で原油急落、+631ドル
3月23日のニューヨーク市場では、ダウ平均が前日比+631ドル(+1.38%)の46,208ドルで終了しました。トランプ大統領がイランのエネルギー施設への攻撃を「5日間延期する」と発表したことがきっかけです。原油価格は数分以内に98ドル台から85ドル未満へ急落し、リスクオフムードが和らぎました。その後は再び92ドル台まで戻す場面もあり、市場の不安定さが改めて浮き彫りになりました。
→ トランプ氏がイラン攻撃を延期、原油価格下落で航空株が急騰(Investing.com)
ホルムズ海峡封鎖リスク、なお残存——原油市場は高ボラティリティ
ブレント原油は3月中旬に113ドルに迫る場面があり、現在は92ドル前後での推移となっています。イランはホルムズ海峡の封鎖を示唆しており、LNG・原油タンカーの迂回航行が増加しています。輸送コストの急騰は、エネルギー輸入依存度の高い日本経済にとって特に深刻なリスクです。
→ ブレント原油一時113ドルに迫る、イランがカタールLNG攻撃(Bloomberg・3月18日)
→ ホルムズ海峡再開見えず、イランは協議に消極姿勢(Bloomberg・3月20日)
FRBの年内利下げ見通しは消滅——インフレ再燃リスクが背景
原油高を背景にインフレ再燃リスクが高まり、市場が織り込んでいたFRBの年内利下げシナリオは事実上消えた状態です。3月の利下げが見送られたことで米国債利回りは高止まりしており、世界的なリスクオフ圧力が続いています。
企業ニュース
春闘2026・第1次集計——賃上げ率5.26%、3年連続5%台を維持
連合の春闘2026年第1次集計(3月23日時点、1,100組合)によると、賃上げ率(加重平均)は5.26%でした。前年の5.46%を0.20ポイント下回りましたが、3年連続で5%台という歴史的な高水準を維持しています。3月18日の集中回答日では、トヨタ自動車(6年連続)・日立製作所(5年連続)など大手企業で満額回答が相次ぎました。パナソニック・三菱電機・マツダも過去最高水準の賃上げを回答しています。
一方で、組合員300人未満の中小企業の賃上げ率は5.05%と、連合が掲げた「中小6%以上」の目標を大きく下回っています。原油高・円安による原材料コスト上昇も加わり、中小企業の「賃上げ疲れ」が懸念されます。
→ 自動車・電機など満額相次ぐ、大手企業が集中回答・26年春闘(時事通信・3月18日)
→ 春闘第1次集計 賃上げ率5.26%(nippon.com)
政策見通し
日銀:政策金利0.75%を据え置き、イラン情勢が次の一手を封じる
日銀は3月19日の決定会合で政策金利(0.75%)の据え置きを決定しました。植田総裁は年内の追加利上げに前向きな姿勢を示してきましたが、中東情勢による原油高・円安・株安のトリプル安が続くなか、慎重な判断となりました。「原油高が経済・物価に与える影響を引き続き点検する」という声明から、次回会合での利上げも見送られる可能性が高まっています。
→ イラン情勢を受けた原油価格上昇の日本経済・国民生活への影響(野村総合研究所・3月13日)
暗号資産課税:2026年度税制改正大綱で申告分離課税20%が明記
2026年度税制改正大綱に、暗号資産の課税方式を現行の総合課税(最高55%)から申告分離課税(一律20%)に変更することが盛り込まれました。損失の3年間繰越控除も認められる方向で、株式・投資信託と同等の税制整備が前進しています。金融商品取引法改正と合わせた実施は2028年からの予定です。
→ 税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間繰越控除を明記(CoinPost)
🪙 暗号通貨マーケット
BTC(ビットコイン):約1,118万円 / $70,599 前日比 ▲2.61%
ETH(イーサリアム):約33.9万円 / $2,141 前日比 ▲4.44%
※円換算はドル円158.38円で計算。価格はFortune・3月23日記事より確認(EDT朝9時15分時点)。
本日の暗号通貨ニュース
- セイラー氏「オレンジの行進は続く」、ビットコイン追加購入を示唆(CoinPost・3月23日)
- ビットコインのマイニング難易度が7.76%下落、2026年2番目の大幅調整(CoinPost)
- 税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間繰越控除を明記(CoinPost)
- ビットコイン、有事の存在感に陰り——原油や金連動の永久先物が台頭(Bloomberg・3月3日)
著者コメント
今日の東京市場の1,857円安は、イラン情勢の不透明感が依然として投資家心理を支配していることを改めて示しました。トランプ大統領がイラン攻撃の5日延期を発表した直後にNYダウは大幅反発しましたが、ホルムズ海峡の封鎖懸念が解消されたわけではありません。延期から5日後には再び判断が迫られる構造です。
注目すべきは、原油価格の動きが「情報1つで10ドル以上振れる」という状況です。このような高ボラティリティ局面では、地政学リスクの短期的な「材料出尽くし」を期待して買いに入ることは、通常時以上に大きなリスクを伴います。
一方で、春闘賃上げ率が3年連続5%台を維持したことは、日本の内需回復への道筋として評価できます。ただし、原油高・円安が輸入コストを押し上げるなかで、せっかくの賃上げ効果が実質購買力の上昇に結びつかないリスクも現実的です。賃上げの数字だけを見て楽観するのは早計と考えています。
今後の注目点は3つです。第一に、トランプ政権のイランへの最終的な軍事・外交判断。第二に、ホルムズ海峡の通行正常化のタイミング。第三に、FRBが利下げシナリオを完全に撤回するかどうかの確認です。これら3点が明確になるまで、相場の方向性を確定的に判断することは難しい局面が続くと見ています。
佐賀大学名誉教授・和田康彦(投資歴25年)
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