【マーケット速報】2026年3月12日(木)朝

投資戦略ラボ
【マーケット速報】2026年3月12日(木)朝
日経平均:55,025円(前日終値)
ドル円:158.97円(円安推移)
NYダウ:47,706ドル(前日比▲34ドル)
WTI原油:86.54ドル(3/10終値)

⚡ 本日の最重要ヘッドライン

  • 高市首相、3月16日にも石油備蓄45日分放出を表明——ガソリン170円台抑制へ
  • NYダウ反落も下落幅は限定的——イラン機雷敷設でもG7協調放出が下支え
  • 日銀、4月利上げの可能性を排除せず——中東情勢の影響を見極める姿勢

【国内マーケット】

日経平均、55,000円台を維持——ホルムズ不安と備蓄放出で綱引き

 3月11日の東京株式市場で日経平均株価は終値55,025円で引けました。中東のホルムズ海峡をめぐる地政学リスクが意識されているものの、日本政府が石油備蓄放出方針を示したことで売り一辺倒にはなりませんでした。本日12日の東京市場は、NYダウの小幅安を受けてやや慎重なスタートが予想されます。

ガソリン、3月19日から補助金再開——170円台への抑制を目指す

 高市首相は3月11日夜、ガソリン小売価格を全国平均170円程度に抑えるための激変緩和措置を表明しました。民間備蓄15日分に加え国家備蓄1カ月分を放出、合計約8,000万バレルと過去最大規模になります。補助金は3月19日から再開の見込みです。原油高騰を受けた異例の緊急対応となります。

参考:政府が石油備蓄を16日にも放出へ 高市首相表明(日経電子版)

参考:16日にも石油備蓄放出へ ガソリン170円程度に(NHKニュース)

GDP改定値、年率1.3%増に上方修正——設備投資の伸びが寄与

 2025年10〜12月期の国内総生産(GDP)改定値は年率換算で1.3%増となり、速報値から上方修正されました。設備投資の伸びが主な押し上げ要因です。日本経済の内需の底堅さを示す数字として評価できます。


【海外経済】

NYダウ、反落も34ドル安にとどまる——G7石油備蓄放出が下支え

 3月11日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は前日比34ドル29セント安の47,706ドル51セントで終えました。イランがホルムズ海峡に機雷を敷設したとの報道が市場心理を圧迫しましたが、G7エネルギー担当相がオンライン会合で石油備蓄の協調放出を確認したことで下落幅は限定的でした。ナスダック総合株価指数は小幅に続伸しています。構成銘柄の約半数がプラス圏で引けており、市場全体のセンチメントは悲観一辺倒ではありません。

参考:NYダウ、反落し34ドル安 ホルムズ海峡巡り不透明感(日経電子版)

WTI原油、86ドル台——一時100ドル超から落ち着くも先行きは不透明

 WTI原油先物は3月10日終値で86.54ドルとなりました。先週、ホルムズ海峡の事実上封鎖報道を受けて一時100ドルを突破する急騰を見せましたが、G7備蓄放出の合意で値を戻しています。ただし「ホルムズ海峡の正常化には時間がかかる」との見通しが市場に残存しており、原油の上振れリスクは続いています。

参考:WTI原油見通し——ホルムズ正常化には時間との見通し(OANDA)

参考:原油市場の混乱深刻化、湾岸減産拡大で100ドル視野(Bloomberg)


【政策見通し】

日銀、3月会合は据え置き濃厚——4月利上げは中東次第

 日本銀行は3月の金融政策決定会合で政策金利(現行0.75%)を据え置く公算が大きくなっています。中東情勢の緊迫化による外需への影響を見極める必要があるためです。一方、関係者によれば「4月の利上げの可能性は排除していない」とのことで、国内の賃上げ・物価動向が堅調であれば次の一手につながるシナリオも残っています。

参考:2026年日銀政策見通し:追加利上げへの積極姿勢(NRI)

イラン・ホルムズ問題、長期化リスクが浮上——日本は中東原油依存度94%

 日本は原油輸入の94%を中東に依存しており、ホルムズ海峡の封鎖が長引けば日本経済への打撃は深刻です。政府は今回、過去最大の石油備蓄放出で対応を図っていますが、備蓄は消耗品であり恒久的な解決策にはなりません。中東情勢が今後どう着地するかが、国内インフレ・日銀政策・企業業績を左右する最大の変数となっています。

参考:イラン攻撃で高まる原油価格上昇リスクと日本経済への影響試算(NRI)


【著者コメント:和田康彦の視点】

 ホルムズ海峡という言葉が再び経済ニュースの最前線に躍り出ました。幅わずか50〜100キロのこの海峡を、日本向け原油の実に9割以上が通っています。地政学リスクとは教科書の用語ではなく、ガソリンスタンドの価格表に直結する現実の問題です。

 今回注目したいのは、NYダウの下落が「わずか34ドル」にとどまったという事実です。中東有事ならパニック売りになってもおかしくない局面で、市場は意外な落ち着きを見せました。G7による協調備蓄放出という政策対応の速さと、原油急騰が逆にインフレ懸念の追加利上げ観測を打ち消したという逆説的な効果が働いたものと考えています。

 投資歴25年の視点から申し上げると、「地政学リスクは売りのチャンスより買いのチャンスになることが多い」というのが経験則です。もちろん今回は長期化リスクもあります。ただ、石油備蓄放出・G7協調という政策の網がすでに張られた以上、原油が再び100ドルを大きく超えて定着するシナリオは現時点では想定しにくいでしょう。日本株は当面、55,000円を軸にした揉み合いが続くと見ています。

 日銀の政策については、4月利上げは中東情勢次第という条件付きになりました。原油高でインフレは上振れするが、外需への打撃は景気の下押し要因になります。利上げ・据え置きどちらの論拠も成立するという難しい局面です。今春の賃上げ動向とあわせて注視していきます。


📚 著者・和田康彦の最新Kindle本はこちら

洛陽と長安、どちらが東にあるか知ってますか?

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP