【マーケット速報】2026年3月11日(水)

投資戦略ラボ
【マーケット速報】2026年3月11日(水)
日経平均:54,248円(前日比 +1,519円 ▲2.88%)
ドル円:158.07円
NYダウ:47,706ドル(-34 ▼0.07%)

⚡ 本日の最重要ヘッドライン

 トランプ大統領が3月9日(現地時間)、「イランとの戦争はほぼ完全に終結している」と発言。前日に100ドルを突破していたWTI原油は一時83ドル台まで急落し、リスクオフムードが一転。東京市場は10日に1,519円高の大幅反発を記録しました。中東リスクが「終結」か「長期化」かで相場の方向性が決まるという、きわめて緊迫した局面が続いています。


📌 国内マーケット

日経平均、1,519円高の大幅反発——ただし地合いはなお不安定

 3月10日の東京株式市場は日経平均が54,248円で終値を付け、前日比+1,519円(+2.88%)と大幅反発しました。トランプ大統領の「イラン戦争ほぼ終結」発言を受けた買い戻しが主因です。

 しかし前日(3月9日)は一時52,000円を割り込む場面もあり、市場の不安定さは消えていません。原油価格と中東情勢の動向次第では再び下振れするリスクは残っています。押し目買いと利益確定売りが交錯する、神経質な展開です。

参照:ホルムズ海峡封鎖で原油価格高騰は必至(リセバ総研・3月4日)

日銀の次回決定会合は3月18〜19日——追加利上げへの視線

 日銀は2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ(30年ぶり水準)、2026年1月の会合では据え置きとしました。次回決定会合は3月18〜19日。今週の中東情勢の落ち着き具合が、追加利上げ判断に影響する可能性があります。メガバンクでは変動住宅ローン金利の引き上げがすでに始まっており、金利環境の変化に要注目です。

参照:日銀・金融政策決定会合スケジュール

上場企業の業績、5年連続最高益へ

 2026年3月期の上場企業決算は、従来予想(前期比2%減)から一転して1%増となり、5年連続の過去最高益更新が視野に入っています。AI関連需要の拡大、資本効率改革が主な押し上げ要因です。個別では3月11日にANYCOLOR、三井ハイテックなどの決算発表が予定されています。

参照:上場企業5年連続最高益——日経電子版


🌐 海外経済

「イランショック」——原油120ドルから83ドルへ乱高下

 2月28日、米・イスラエル連合軍がイランの軍事施設・政府中枢を大規模攻撃。これを受けてブレント原油は一時1バレル120ドル(WTIは100ドル超)まで急騰しました。3月9日にはアジア株式市場が総崩れとなり、韓国市場では売買停止措置が発動される場面もありました。

 その後、トランプ大統領の「終結」発言で局面は急転換。WTIは83ドル台まで急落しています。ホルムズ海峡封鎖リスクが完全に消えたわけではなく、引き続き原油相場の動向から目が離せない状況です。

参照:原油先物、一時82ドル台——Bloomberg(3月5日) | アジア株総崩れ——Bloomberg(3月9日)

米国株——ダウ3月10日は小幅安、前日は買い戻しで反発

 NYダウは3月9日に前日比+239ドル(+0.50%)と反発(終値47,740ドル)。序盤は886ドル安まで売られていましたが、トランプ発言後に急速に買い戻されました。ナスダックも+308ポイント(+1.38%)と上昇。ただし3月10日は小幅安(47,706ドル、-34ドル)と利益確定売りが出ています。VIX指数は一時30超と高止まりしており、投資家心理はなお不安定です。

参照:ダウ急反発——みんかぶFX(3月10日)

トランプ関税——122条10%が2月24日から発動

 最高裁が「相互関税は違法」と判断した後、政府は通商法122条に基づく10%追加関税を2月24日から発動(150日間の時限措置)。米企業・消費者への転嫁が再び強まりつつあり、電子機器や家電分野での値上げが広がっています。スタグフレーション懸念がFRBの利下げ観測を後退させる要因にもなっています。

参照:米国関税措置への対応——ジェトロ


🏢 企業ニュース

高市政権、AIロボット世界シェア3割へ——官民投資ロードマップ素案を公表

 政府は3月10日、AIロボット分野で世界シェア3割超・20兆円市場の獲得を目標とするロードマップ素案を発表しました。17の重点分野で61製品・技術を選定し、優先的に支援する方針です。経産省の2026年度予算はAI・半導体関連だけで1兆2,390億円(前年度当初の3.7倍)と大幅拡充。国産AI開発(GENIACプロジェクト)や半導体の国産化加速が続いています。

参照:高市政権、AIロボット世界シェア3割へ——Bloomberg(3月10日)

3月11日の決算発表予定:ANYCOLOR・三井ハイテックなど

 3月11日はANYCOLOR(VTuber「にじさんじ」)、三井ハイテック(電磁鋼板)、ネオジャパン、テンポスホールディングスなどが決算を発表します。ANYCOLORは国内外のエンタメ消費動向を測る指標としても注目されます。

参照:2026年3月11日の決算発表予定——株式ちゃんねる


📊 政策見通し

日銀3月会合——利上げか据え置きか、中東リスクが焦点

 3月18〜19日の日銀金融政策決定会合を前に、市場では「追加利上げ」と「中東リスクを受けた据え置き」の見方が交錯しています。2026年春季労使交渉での賃上げ率は5.0%が予想され、物価目標達成への自信は高まっています。一方、原油高によるインフレ加速と景気下押しという逆風もあり、判断が難しい局面です。ドル円は158円台で推移しており、利上げを織り込む動きが円高方向に振れる可能性もあります。

参照:日銀は追加利上げへの積極姿勢——NRI・2026年1月8日


✍️ 著者コメント(和田康彦・佐賀大学名誉教授・投資歴25年)

 今週最大のテーマは「イランショック」の収束がどこまで本物かという点でしょう。原油価格が120ドルから83ドルへ急落したのはトランプ発言ひとつがきっかけでしたが、ホルムズ海峡リスクが完全に消えたわけではありません。エネルギー価格がここから再び上昇すれば、スタグフレーション懸念が世界同時株安を引き起こす可能性があります。

 一方で、日本株の中長期的な見方は変わっていません。上場企業の5年連続最高益、高市政権のAI・半導体への大規模投資、春闘での5%超の賃上げ、これらは着実に「高市相場」の土台を作っています。短期的なボラティリティに惑わされず、押し目を丁寧に拾っていく姿勢が重要です。日銀の3月会合(18〜19日)での利上げ判断が次の焦点です。


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