【マーケット速報】2026年3月14日(土)

投資戦略ラボ

【マーケット速報】2026年3月14日(土)
日経平均:53,819円(前日比 −633円 / −1.16%)
ドル円:159.71円
NYダウ:46,558ドル(前日比 −119ドル / −0.26%)

⚡ 本日の最重要ヘッドライン

  • ⚡ ホンダ、上場以来初の最終赤字へ——EV損失で最大6,900億円の赤字見通し、株価6%安
  • ⚡ ホルムズ海峡情勢継続——原油価格は1バレル100ドル超の高止まり、ガソリン全国平均161円台
  • ⚡ 日経平均続落——中東情勢懸念と円安でも自動車・機械に売り、3月13日終値53,819円
  • ⚡ 米スタグフレーション懸念強まる——3月17〜18日FOMC前に市場が供給ショックの長期化を織り込む
  • ⚡ ビットコイン現物ETF3日連続流入——3月11日に1億1,520万ドルの純流入、累計558億ドル超

国内マーケット

日経平均、続落——中東・EV不安が重荷

 3月13日の東京株式市場で日経平均株価は前日比633.35円安の53,819.61円と続落しました。中東情勢をめぐる不透明感が続くなか、ホンダの巨額赤字発表が自動車株全般への売りを誘い、機械関連銘柄にも波及しました。一方でINPEXなどのエネルギー関連株は原油高を背景に堅調に推移しました。

 ドル円相場は159.71円台と円安が続いており、輸入物価の押し上げ懸念が広がっています。米金利の高止まりと中東情勢の緊張が重なった格好で、輸出企業にとっては追い風でもある一方、石油輸入コストの増大が企業業績を圧迫するという複雑な構図となっています。

日経平均株価(Yahoo!ファイナンス)

ホンダ、上場以来初の最終赤字へ——EV戦略を転換

 ホンダは2026年3月12日、2026年3月期の連結最終損益が最大6,900億円の赤字になると発表しました。上場以来初めての最終赤字です。北米電気自動車(EV)市場の急速な悪化を受け、旗艦EVモデル「ゼロシリーズ」の一部開発断念と関連資産の減損損失計上が主因です。三部敏宏社長は「2040年の脱ガソリン目標の達成は現実的に困難」と表明し、北米で人気を集めるハイブリッド車へ戦略を転換すると発表しました。今後のEV関連損失は2027年3月期と合計で最大2兆5,000億円に上る可能性があります。翌13日の株価は一時7%安と急落しました。

ホンダが最大6900億円の最終赤字、26年3月期(日本経済新聞)

ホンダの株価、初の赤字で6%安(日本経済新聞)


海外経済

ホルムズ海峡緊張続く——原油100ドル超、日本のガソリン170円水準へ

 米国とイスラエルによるイラン軍事攻撃(2月28日〜)を受け、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡の全面封鎖を宣言して以来、原油先物価格の高止まりが続いています。原油先物は一時1バレル119.48ドルと、ロシアによるウクライナ侵攻開始以来の高値に達した後も100ドルを超える水準で推移しています。国際エネルギー機関(IEA)加盟国は4億バレルの協調石油備蓄放出を決定しましたが、効果は限定的となっています。日本政府はガソリン小売価格を全国平均170円程度に抑制する措置を講じており、3月9日時点の全国平均価格は161.8円と前週比3.3円の上昇となっています。

中東情勢の緊迫とホルムズ海峡封鎖でガソリン価格の値上げが大幅に加速(リセバ総研、3月13日更新)

原油先物9%高、イランがホルムズ海峡封鎖継続と警告(ニューズウィーク日本版)

米国・スタグフレーション懸念——3月FOMC前に市場が警戒

 3月17〜18日に開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米国市場ではスタグフレーション(景気停滞+インフレ)への懸念が高まっています。トランプ政権の関税政策(全世界10%追加関税+日本向け15%維持)による供給コスト上昇にホルムズ海峡問題が重なり、FRBはインフレ抑制と景気下支えのジレンマに直面しています。アポロ・グローバル・マネジメントは「向こう6カ月でインフレが上昇するリスクがある」と警告しており、金利先物市場では2026年の利下げ期待が後退しつつあります。3月13日のNYダウは前日比289.24ドル安の47,417ドルと続落(12日終値)、ナスダック総合は小幅3日続伸と二極化した動きとなっています。

米国株式市場、NYダウ続落、ナスダック小幅に3日続伸(株式新聞Web)

2026年3月の注目イベント、日米の金融政策に注目(三井住友DSアセットマネジメント)

中国・2026年全人代——成長目標「合理的な範囲」、内需苦戦続く

 中国では3月5日に全人代(全国人民代表大会)が開幕し、第15次5カ年計画の審議が行われました。2025年の実質GDP成長率は政府目標(5%前後)を達成しましたが、2026年は耐久消費財補助金効果の剥落と不動産不況の継続により4.4%程度への減速が見込まれています。成長率の数値目標を設けず「合理的な範囲」とする姿勢が打ち出されたことは、当局が従来型の数値目標主導の政策運営から距離を置こうとしていることを示しています。ホルムズ海峡問題では、最大の原油輸入国として封鎖長期化の影響を受けるにもかかわらず、中国が明確な立場を示していないことへの国際的な批判も高まっています。

中国、2026年全人代開幕、特異性を強める経済・内政・外交(第一生命経済研究所)

ホルムズ海峡の緊迫化に中国が「怒り心頭」の理由(Business Insider Japan)


政策・金融政策

日銀、政策金利0.75%を維持——次の利上げは2026年後半の見通し

 日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ(1995年8月以来約30年ぶりの水準)、現在はその後の動向が注目されています。複数のエコノミストは次の利上げを2026年後半(9月前後)と予想しており、当面は据え置きが続く見通しです。背景には米国の景気減速リスクやホルムズ海峡問題による物価の不透明感があります。植田総裁は「インフレ率・成長率とも下振れリスクが低下した」とし、段階的な金融緩和の調整方針を堅持しています。ただし円安(現在159円台)と輸入インフレの加速が続く場合は、想定より早い利上げが迫られる可能性もあります。

追加利上げで政策金利0.75%へ〜恐るべき円安圧力を止められるか(第一生命経済研究所)

日銀26年の「緩やかな利上げ継続」になお課題(ダイヤモンド・オンライン)

金融庁、暗号資産ETF導入へ——2028年施行、課税20%申告分離に

 金融庁は2026年度税制改正で、暗号資産取引の課税方式を現行の総合課税(最高税率55%)から申告分離課税(一律20%)へ変更する方針を発表しました。さらに一定の暗号資産についてはETF(上場投資信託)での取り扱いも可能にする方針で、実現すれば米国の現物ビットコインETFに遅れること約4年での制度化となります。政令改正を経て2028年施行予定で、3年間の繰越控除制度も盛り込まれています。

金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正(CoinPost)

仮想通貨ETF解禁、なぜ米国から4年遅れ(日本経済新聞)


🪙 暗号通貨マーケット

BTC(ビットコイン):約11,394,000円 / 約72,000ドル前後 前日比 概ね+3%前後(回復基調)

ETH(イーサリアム):約336,236円 / 約2,112ドル 前日比 +1.05%

本日の暗号通貨ニュース


著者コメント

 ホンダの上場以来初の最終赤字発表は、EV戦略の「急ぎすぎた失敗」として市場に刻まれることになりそうです。2040年の脱ガソリン目標を「現実的に困難」と公式に撤回した経営判断は勇気ある決断とも言えますが、減損損失が今後2兆5,000億円規模に膨らむ見通しは重大です。投資家としては、今後のハイブリッド戦略への転換がどこまで収益化につながるかを慎重に見極める必要があります。

 一方、中東・ホルムズ海峡情勢の長期化は日本経済にとって複合的なリスクをもたらしています。輸入エネルギーの高騰は企業コストを押し上げるのみならず、円安(159円台)との相乗効果でインフレ圧力がさらに高まっています。日銀の次の利上げ判断は、物価動向と米国発のスタグフレーション懸念のどちらが先に解消されるかにかかっていると言えるでしょう。

 暗号通貨市場では、ビットコイン現物ETFが3日連続で資金流入に転じた点は明るい材料ですが、Fidelityが「2026年は4年サイクルの冬」と予測している点には留意が必要です。日本での暗号資産ETF導入(2028年施行予定)は制度的進歩として評価しますが、先行する米国市場との乖離が埋まるまでには時間がかかりそうです。


著者:和田康彦(佐賀大学名誉教授・農学部、投資歴25年)

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