1. 「いつものGmail」に忍び寄る2026年の異変
2026年1月、長年「当たり前」だったGmailの機能が一つ、静かに姿を消します。 それが、外部メールを取り込む**「POP受信機能」**の終了です。
レンタルサーバーで独自ドメインを運用し、Gmailに集約していた著者や個人投資家の方々にとって、これは「ある日突然、仕事のメールが届かなくなる」という死活問題です。
一見すると「不便になるだけの改悪」に見えるこの変更ですが、投資家としての私は、ここに**アルファベット(Googleの親会社)の恐ろしいまでの「合理性」**を感じずにはいられません。
2. 枯れた技術を切り捨てる「プラットフォームの冷徹」
なぜGoogleは、多くのユーザーが利用している機能を廃止するのか? その答えは、同社の2026年度に向けた経営戦略に明確に現れています。
リソースの集中
POP3という1980年代からの古いプロトコルを維持するコストを切り捨て、その分をAI(Gemini)やクラウド、そして高収益なモバイル広告プラットフォームの強化に充てる。
有料版(Google Workspace)への誘導
無料で便利に使わせるフェーズは終わり、ビジネス利用なら相応のコスト(セキュリティやIMAPの利便性)を負担せよ、という無言のメッセージです。
これは、生物学で言えば「プログラム細胞死(アポトーシス)」のようなものです。個体の成長のために、不要になった組織を自ら壊す。Googleという巨大生命体は、今まさに「検索の王」から「AIの支配者」へと、自らの体細胞を入れ替えているのです。
3. 今更アルファベットに投資しても大丈夫なのか!?
そこで気になるのが、**「時価総額4兆ドル(2026年1月時点)を突破したアルファベットに、今から乗ってもいいのか?」**という点です。
結論から言えば、私は**「NO」と言い切るには、彼らの『掘(経済的な参入障壁)』はあまりにも深い**と考えています。
AIインフラの圧倒的な資本力
2026年の設備投資(CapEx)は1,100億ドルを超えると予測されています。この規模の投資を継続できる企業は、世界に数社しか存在しません。
「Gemini 3」の浸透
AppleのSiriへの採用や、Android OSへのネイティブ統合により、GoogleのAIはもはや「選んで使うもの」ではなく、空気のように「そこにあるもの」になりました。
クラウド部門の爆発
モルガン・スタンレーの予測によれば、Google Cloudの収益は2026年に50%以上の成長を見せる可能性があります。広告一本足打法からの脱却は、着実に進んでいます。
4. 歴史が教える「勝者の条件」
中国史を紐解けば、王朝の交代期には必ず「物流(情報の流れ)の再定義」が起きました。 漢が西域への道を拓き、唐が運河を整備したように、現代において情報の物流を握っているのはGoogleです。
今回のGmailの仕様変更も、彼らが「情報の運河」の設計図を書き換えているに過ぎません。ユーザーの利便性を多少犠牲にしてでも、自らのプラットフォームをより強固な、高収益なものへ作り変える。この「非情なまでの合理性」こそが、投資家が信頼を置くべき「強さ」の本質ではないでしょうか。
5. 私のポートフォリオにおけるアルファベット
ここで、投資家としての決断が問われます。時価総額が膨れ上がったアルファベット(GOOGL)を、今から個別銘柄としてポートフォリオに組み入れるべきでしょうか?
私の結論は、**「あえて個別では持たない」**です。
誤解していただきたくないのは、同社の成長性を否定しているわけではないということです。むしろ、その逆です。
「主力」としてのインデックス・バランス運用
私の投資戦略の核(コア)は、バランス投信にあります。また、サテライトとしてS&P500のETFも運用しています。
分散の美学
アルファベットはS&P500の時価総額上位を占めており、インデックスやバランス投信を保有していれば、嫌でもその成長の恩恵は享受しています。
個別株の厳選
個別銘柄を保有するのであれば、インデックスでは代替できない「顔の見える銘柄」や、私自身が強みを理解している国内の厳選銘柄、あるいは安定した配当を生む**1489(高配当50)**などに集中すべきだと考えています。
わざわざ個別でGOOGLを買い増すことは、ポートフォリオ内の「Google比率」を過剰に高めることになり、それは私の理想とするリスク管理とは異なります。
6. まとめ:プラットフォームの変化を「定点観測」する
今回のGmailの仕様変更は、Googleというプラットフォームが「成熟期」から「刈り取り期」へ移行したサインかもしれません。
私は、バランス投信やETFを通じて彼らの成長を間接的に支援しつつも、個別株としては国内の堅実な企業を応援し続ける。この「二段構え」のスタンスこそが、荒波の多いであろう2026年の相場を生き抜く、著者・投資家としての私の答えです。
(免責事項:本記事は投資勧誘を目的としたものではなく、情報の提供を目的としています。投資の最終判断はご自身で行ってください。)

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