【マーケット速報】2026年3月21日(土)
日経平均:53,372.53円(▼1,866.87 / ▼3.38%) ※3/19終値。3/20は春分の日で休場
ドル円:159.30円(円安基調継続)
NYダウ:45,577.47ドル(▼443.96 / ▼0.96%) ※3/20終値
⚡ 本日の最重要ヘッドライン
- ⚡ FOMC金利据え置き(3.5〜3.75%)——パウエル議長「原油高を非常に懸念」。年内利下げ予測は中央値1回を維持したが、引き締め色が強まり米株は急落。
- ⚡ 日銀も0.75%で据え置き——中東情勢と原油高を注視し、2会合連続で利上げ見送り。日米金利差の継続から円安が加速し、日経平均は1,866円安の全面安。
- ⚡ イスラエルがイランのガス田施設を攻撃——ホルムズ海峡の実質的封鎖リスクが意識され、原油先物が急騰。スタグフレーション懸念が世界市場に広がっている。
🇯🇵 国内マーケット
日経平均、今年最大級の急落——1,866円安で全面安
3月19日の東京株式市場は大荒れとなりました。日経平均株価の終値は前日比1,866円87銭安の5万3,372円53銭。下落率は3.38%に達し、プライム市場の上場銘柄のうち約97%が値下がりという全面安の展開でした。前夜の米国株急落に加え、日銀の利上げ見送り後も円安が止まらず、二重の重荷が相場を押し下げました。3月20日(春分の日)は国内市場が休場となったため、3連休明けの反応が注目されます。
→ 日経平均大引け、1866円安——日銀据え置き後の円安と中東リスクが重石(財経新聞・3月19日)
ドル円、159円台後半に——160円到達で介入警戒も
外国為替市場ではドル円が159円台後半まで進み、160円の節目が視野に入ってきました。日米金利差の継続を背景に円売り圧力が強まっており、輸入物価の一段の上昇も懸念されます。為替介入の実施は財務省の判断に委ねられますが、市場はその可能性を意識し始めています。
→ 日銀利上げ見送り決定、政策金利0.75%で維持——原油高の影響点検(日本経済新聞・3月19日)
🌍 海外経済
FRB、2会合連続で金利据え置き——パウエル議長「原油高を非常に懸念」
米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月17〜18日の会合でFF金利を3.50〜3.75%に据え置くことを決定しました。パウエル議長は会見で「原油高を非常に懸念している」と明言。中東・ホルムズ海峡の緊張に起因するエネルギー価格の高騰が物価見通しの上方修正につながったためです。年内の利下げ見通しは中央値で1回を維持したものの、市場が織り込んでいた「2回以上」から後退したことで株式市場に売り圧力が高まりました。ニューヨークダウは一時800ドル超の下落を記録し、3月20日終値は45,577.47ドル(前日比▼443.96ドル)となりました。
→ FRB議長「原油高を非常に懸念」——金利据え置き、年内利下げ1回は維持(日本経済新聞・3月19日)
中東緊張がさらに拡大——イランのガス田施設攻撃でホルムズ封鎖リスク
イスラエル軍がイランのガス田関連施設を攻撃したとの報道が世界市場を動揺させました。ホルムズ海峡が事実上封鎖される可能性が意識され、原油先物は急騰。「スタグフレーション」——景気後退とインフレが同時進行する最悪のシナリオ——への警戒が、株式市場全体を圧迫しています。米国・欧州・アジア市場がそろって売られるリスクオフの展開となりました。
→ 米国のイラン攻撃は撤退予想——「遠い戦争は株買い」だが「ホルムズ海峡封鎖は株売り」(財経新聞・3月19日)
🏢 企業ニュース
全銀ネット、50年ぶりの決済システム刷新へ——ステーブルコインとの連携も視野
全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は、1973年から稼働してきた現行の全銀システムを2030年に全面刷新する構想を公表しました。リアルタイム決済(24時間365日即時着金)の実現に加え、ステーブルコインやトークン化預金との連携基盤の構築も検討する方針です。デジタル金融の急進展に対応するため、国内の決済インフラが大きく変わろうとしています。
→ 全銀ネット、新決済システム構想を公表——ステーブルコイン・トークン化預金との連携も視野に(CoinPost・3月20日)
高田審議委員が1%への利上げを提案——日銀内でも意見割れる
3月19日の日銀金融政策決定会合では、高田創審議委員が政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げることを提案しましたが、反対多数で否決されました。「海外発の物価上昇が国内に波及しており、インフレの上振れリスクは高い」との主張で、タカ派的な見解が委員会内でも存在することが改めて確認されました。市場では4月以降の利上げ再開に向けた思惑が続いており、金融政策の動向に引き続き注目が集まっています。
→ 日銀会合、中東巡る不確実性高く——4月以降の利上げかじ取りに難路(日本経済新聞・3月19日)
📋 政策見通し
日銀の次の一手——「4月以降」が焦点に
日銀は2会合連続で利上げを見送りましたが、植田総裁は「経済・物価が見通しに沿って改善していけば、引き続き政策金利を引き上げる」と利上げ路線の継続を明言しました。カギを握るのは中東情勢の落ち着きと原油価格の動向です。ホルムズ海峡リスクが長引けば原油高・円安・インフレが同時進行するシナリオも排除できず、日銀にとって難しい政策判断が続きます。国内では春闘の賃上げ結果も注目材料となっており、4月の決定会合が次の重要な節目と位置づけられています。
→ 日銀据え置きでも正常化継続——1%視野と家計・企業への影響(財経新聞・3月20日)
🪙 暗号通貨マーケット
BTC(ビットコイン):約1,124万円 / $70,538.70 前日比 +0.69%
ETH(イーサリアム):約34.2万円 / $2,144.65 前日比 参考値
本日の暗号通貨ニュース
- ビットコイン量子コンピュータ対策「BIP360」がテスト段階へ——将来の量子攻撃に備えたアドレス形式の提案が実装フェーズに(CoinPost・3月20日)
- 米SEC委員長、仮想通貨規制の新枠組み構築を表明——過去の規制方針による「機会損失」を認め、デジタル資産領域での主導権奪還を宣言(CoinPost・3月20日)
- モルガン・スタンレー、ビットコイン現物ETFの上場申請を更新——大手証券が本格参入に向け動き(CoinPost・3月20日)
- 全銀ネットの新決済システム、ステーブルコインとの連携基盤を検討——2030年稼働目標で国内金融インフラが一変へ(CoinPost・3月20日)
✍️ 著者コメント(和田康彦・佐賀大学名誉教授・投資歴25年)
今週の市場を一言で表すなら「三重苦」でしょう。FOMC(タカ派)・日銀(利上げ見送り+円安)・中東(ホルムズ封鎖リスク)という三つのネガティブ要因が同時に重なり、日経平均は週間で2,000円超の下落となりました。
最も注目すべきは「スタグフレーション」の芽です。原油高はコストプッシュ型のインフレをもたらす一方、企業収益の圧迫や消費の冷え込みを通じて景気を下押しします。米国では利下げが困難になり、日本では輸入コストの上昇が直撃する構図です。FRBのパウエル議長が「原油高を非常に懸念」と異例の直接表現を用いたことは、この問題の深刻さを物語っています。
円安(159円台)についても予断を許しません。日米金利差が当面維持されるなかで一方的な円安圧力は続きやすく、160円を超えた場合の財務省・日銀の対応が一つの焦点となります。輸入物価上昇から家計の実質購買力が低下し続けるという構造は、国内消費にとって逆風です。
中東情勢に関しては、現時点でホルムズ海峡の実際の封鎖には至っていません。しかし、イランのエネルギーインフラへの直接攻撃という事態は、過去の中東紛争と一線を画する深刻さを持ちます。「遠い戦争は株買い」というアノマリーが通用しない可能性があるという点は、十分に意識しておく必要があります。
暗号資産市場は今週、株式市場が大幅下落するなかでビットコインが$70,000台を維持するという相対的な底堅さを見せました。これは「インフレヘッジ資産」としての側面が意識された可能性があります。ただし、リスクオフが本格化した局面では連れ安となるリスクも内包しており、過信は禁物です。
3連休明けの月曜日(3月23日)は、中東情勢の週末の動向次第で相場の方向性が定まります。原油価格と地政学ニュースを注視しながら、現金比率を意識した対応が求められる局面です。
【著者プロフィール】
和田康彦(わだ・やすひこ) 佐賀大学名誉教授(農学部)・投資歴25年
研究室ブログ:https://wadaken.top/
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