【マーケット速報】2026年3月19日(木)|日経平均:55,239円(前日比 +1,539円 / +2.87%) ドル円:158〜159円台 NYダウ:46,225ドル(前日比 -768ドル / -1.63%)
⚡ 本日の最重要ヘッドライン
- ⚡ 日米首脳会談(本日) ― 高市首相がワシントンでトランプ大統領と会談。中東対応・米関税・日米投資案件が焦点
- ⚡ FOMC政策金利据え置き(本日未明発表) ― 3.50〜3.75%を維持。原油高・地政学リスクを踏まえ利下げは慎重姿勢
- ⚡ 春闘集中回答日(昨18日) ― トヨタ・日立・三菱電機など満額回答相次ぐ。金属労協平均15,450円で集計開始以降最高
- ⚡ 日銀金融政策決定会合(本日15:30発表予定) ― 政策金利0.75%据え置きが有力視。植田総裁会見の発言内容に注目
🏦 国内マーケット
日経平均、5日ぶり大幅反発 ― +1,539円(前日比+2.87%)
3月18日(水)の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに大幅反発し、前日比1,539円01銭高(+2.87%)の55,239円40銭で取引を終えました。上昇幅は2月9日以来の大きさです。トランプ大統領がイランでの軍事作戦について「近いうちに撤退する」と述べたと伝わったことで、過度な原油供給懸念が後退し、主力株を中心に買い戻しが広がりました。
個別銘柄では、日米のレアアース共同開発参加が伝わった三菱マテリアルが急伸。米投資ファンドによる株取得が報じられた商船三井も上昇しました。半導体関連ではアドバンテストや東京エレクトロンが、マイクロン・テクノロジーの好決算期待を背景に買われました。
本日の注目:日銀金融政策決定会合(15:30発表予定)
日本銀行の金融政策決定会合は3月18〜19日の2日間にわたって開催されており、本日15時30分ごろに結果が発表される予定です。イラン情勢を背景とした不確実性から、政策金利(0.75%)の据え置きが大勢の見方です。植田総裁の記者会見では、中東情勢が日本経済・物価に与える影響と、次回以降の利上げ時期についての発言内容が注目されます。
🌍 海外経済
FOMC ― 2会合連続の政策金利据え置きを決定
米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月17〜18日の会合で、政策金利(FF金利誘導目標)を現行の3.50〜3.75%に据え置くことを全会一致で決定しました。声明では、イラン情勢を背景とした原油高がインフレと景気の双方に不確実性をもたらしているとの見解が示されました。経済見通し(SEP)ではGDP成長率が下方修正される一方、コアPCE物価指数は上方修正されました。ドットチャートでは2026年の利下げ見通しが1回に据え置かれています。
→ 2026年3月FOMCプレビュー ~イラン情勢で高まる不確実性~(第一生命経済研究所)
→ 2026年3月FOMC ― 今回の注目点を整理する(三井住友DSアセットマネジメント 3/13)
日米首脳会談(本日)― 高市首相、就任後初の訪米
高市早苗首相は本日3月19日、ワシントンでトランプ大統領と就任後初の首脳会談に臨みます。米国側は昼食に加えて晩さん会を設けるなど「異例の厚遇」で迎える予定で、国賓待遇に準じた接遇とみられます。会談の主な議題は、(1)イラン情勢への対応とホルムズ海峡への艦船派遣問題、(2)米関税をめぐる日米投資案件、(3)米国産原油の輸入拡大 ― の三本柱です。トランプ大統領が3月末に訪中を予定する前に、日米の外交方針を擦り合わせる狙いもあります。
→ 高市首相、初訪米へ今夜出発 「異例の厚遇」歴代首相との違いは?(日本経済新聞 3/18)
→ 日米首脳、19日に米国で会談 ― 訪中前のトランプ氏と連携の深化示せるか(日本経済新聞 3/15)
マイクロン・テクノロジー ― 第2四半期決算、3期連続で売上高最高更新
米マイクロン・テクノロジーは日本時間3月19日早朝、2026年度第2四半期の決算を発表しました。AI向けHBM(高帯域幅メモリ)需要の爆発的な増加を背景に、売上高は前四半期比21%増加し3期連続で過去最高を更新しました。粗利率ガイダンスも68%と記録的な水準とのことです。東京市場では前日に決算期待を先取りする買いが入っており、アドバンテストや東京エレクトロンの上昇につながっていました。
→ マイクロン・テクノロジー2Q決算プレビュー(bloomo.co.jp)
🏢 企業ニュース
春闘集中回答 ― 満額相次ぐ、金属労協は集計開始以降の最高額
3月18日の春闘集中回答日では、主要企業で満額回答が相次ぎました。トヨタ自動車が6年連続の満額回答、日立製作所・三菱電機・NEC・富士通・パナソニックが電機大手統一要求(ベア月1万8,000円)に満額で応じました。三菱電機は査定昇給と合わせて平均7%の賃上げとなり、2008年以降で過去最高です。金属労協の発表では傘下49組合の平均賃上げ回答額は月額15,450円に達し、2014年の集計開始以降で最高となりました。
→ 自動車・電機など満額相次ぐ 人材確保で高水準 ― 大手企業が集中回答・26年春闘(時事通信 3/18)
→ 金属労協の春闘賃上げ回答額は1万5,450円、14年の集計開始以降で最高(Bloomberg 3/18)
📋 政策見通し
日銀:4月追加利上げの市場織り込みは60%前後
本日の3月会合が据え置きで着地した場合でも、4月の追加利上げ確率は市場で60%前後が織り込まれています。3年連続5%超が見込まれる今年の春闘賃上げ結果が出そろい、エネルギーコスト上昇が実質賃金の改善をどこまで相殺するかが、日銀の次の一手を決める最大の変数となりそうです。
ECB ― 政策金利2.15%を維持
欧州中央銀行(ECB)は3月18〜19日の政策理事会で主要政策金利を2.15%に維持しました。ラガルド総裁は記者会見でユーロ圏のインフレが2%目標に向けて「良好な状態」にあると述べた一方、中東情勢による不確実性の高まりを踏まえ、今後も指標に依拠した慎重な政策運営を続ける姿勢を示しました。
トランプ大統領:3月末に訪中予定 ― 対中戦略が焦点に
トランプ大統領が3月末に中国を訪問する予定と伝わっています。本日の日米首脳会談でも、対中戦略での日米連携が主要議題の一つになる見通しです。訪中の具体的な成果によっては、米中間の貿易・安全保障環境が変化する可能性があり、日本への影響も注目されます。
🪙 暗号通貨マーケット
BTC(ビットコイン):約1,100万円台 / 約69,000ドル 前日比 軟調推移
ETH(イーサリアム):約37万円台 / 約2,330ドル 前日比 軟調推移
※イラン情勢を背景とした市場全体のリスクオフの流れを受け、暗号通貨市場も軟調に推移しています。価格はリアルタイムで変動します。
本日の暗号通貨ニュース
- シティ銀、ビットコインとイーサリアムの1年後目標価格を引き下げ ― BTC 11.2万ドル・ETH 3,175ドルへ(CoinPost 3月18日)
- ナスダックが株式トークン化決済を開始へ、米SECがDTCパイロット運用を承認(CoinPost 3月19日)
- ビザ(Visa)がAI自律決済基盤を整備、ステーブルコイン決済ツールを公開(CoinPost 3月19日)
- クラーケンIPO無期限延期か、「仮想通貨の冬」が影響と報道(CoinPost 3月19日)
- SBI VCトレード、USDCレンディングを国内初提供 ― 当初年率10%(CoinPost 3月18日)
✍️ 著者コメント(和田康彦・佐賀大学名誉教授)
本日は、日銀・FOMC・ECBという世界三大中央銀行が事実上同日に政策決定を行う「スーパーセントラルバンク・ウィーク」の最終日です。FRBは昨日(日本時間本日未明)に政策金利を据え置くことを決定し、ECBも維持を発表しました。日銀は本日15時半の発表を待つ状況です。
三大中央銀行が横並びで「静観」に徹する共通の背景が、イラン情勢です。米・イスラエルによる攻撃を機に原油供給リスクが顕在化し、WTI原油先物は1バレル100ドル前後まで上昇しています。この構造は、エネルギーを大量に輸入する日本にとって、コスト増・円安・実質賃金圧迫という連鎖をもたらします。
昨日の春闘集中回答では、金属労協の平均賃上げ額が集計開始以降最高となり、名目賃金の上昇という意味では明確に前進しました。しかし、エネルギーインフレが長引けば実質賃金の改善には至らず、個人消費の回復も遅れます。賃上げの恩恵が家計に実感として届くかどうかは、原油価格の動向次第という側面が依然として大きいと判断しています。
本日の日米首脳会談は、複数の難題が折り重なる局面での開催です。トランプ大統領が3月末の訪中を控えた外交的な緊張感の中で、関税交渉・エネルギー輸入・ホルムズ海峡への艦船派遣問題が同時に議題に上る見通しです。会談の結果は、日本の通商政策・安全保障政策・エネルギー調達の三方向に影響を及ぼす可能性があります。
こうした政策と地政学が交錯する局面では、市場の短期的な動きに翻弄されないことが最も重要です。3月18日の日経平均が5日ぶりに急反発したことは事実ですが、その背景にある不確実性はまだ解消されていません。昨夜のNYダウは750ドル以上、下落していますし、地政学リスクが落ち着くまでは銘柄研究に徹しましょう。
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