Kindle本「皇帝の財務諸表」の紹介動画をアップしました。
本書のテーマは、歴史上の皇帝を「国家という巨大企業のCEO」として捉え直し、その興亡をBS(貸借対照表)・PL(損益計算書)・キャッシュフローで読み解くことです。歴史書でもなく、投資本でもなく、その両方を橋渡しする一冊として書きました。
たとえば前漢の武帝。140年かけて積み上げた内部留保が、匈奴遠征という「リターンのない新規事業」でたった一代のうちに溶けてなくなります。これは現代の企業経営で言えば、キャッシュリッチな会社が見込みのない多角化に失敗するパターンとまったく同じ構図です。
あるいは17世紀のオランダ。チューリップの球根一個が、熟練職人の年収10倍(現代感覚で約4,000万円)まで高騰したチューリップバブルは、「誰かがもっと高く買ってくれるはず」という根拠なき期待だけで動いた相場の典型でした。1637年2月3日、需要が一瞬で蒸発したその日の話は、現代の過熱相場への強い警告にもなっています。
ほかにも、定額サブスク課税で世界をリードした唐の崩壊、固定費(軍事費)の肥大化で自滅したアッバース朝、「米」という通貨が価値を失った徳川幕府と大岡越前の金融緩和など、千数百年のケーススタディが詰まっています。
最終章では、これらの教訓をもとに「現代の皇帝企業」を探します。三菱HCキャピタルを取り上げながら、ガバナンス不全で短命に終わった西晋・前秦との対比で、「長続きする企業とはどういうものか」を考えます。
歴史を財務諸表で読み解く視点は、投資判断の根拠を「なんとなく」から「構造的な理解」へと引き上げてくれます。ぜひ動画とあわせてお読みください。
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