前週末(3/6)終値
日経平均:55,620円(前日比 +342円 / +0.62%) |
ドル円:158.11円(+0.30円) |
NYダウ:47,501ドル(前日比 −453ドル / −0.95%)
⚡ 本日の最重要ヘッドライン
- ⚡ 米2月雇用統計が大幅悪化(就業者数 −9.2万人)、スタグフレーション懸念が台頭
- ⚡ ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態、WTI原油は70ドル台後半で高止まり
- ⚡ NYダウが453ドル安——昨年12月中旬以来の安値を更新
- ⚡ 日本株は続伸で引けるも、今週は米株安・中東リスクが重荷に
国内マーケット
日経平均、続伸で55,620円——ただし今週は下振れリスクに警戒
先週金曜(3月6日)の東京株式市場は、前日からの反発が続き、日経平均は前日比342円高の55,620円で引けました。
中東情勢の悪化が続くなか、原油高一服への期待感から押し目買いが優勢となりました。
ただし、同日の米国市場ではNYダウが453ドル安と大幅に下落していたため、
本日(3月9日・月曜)の日本株は米株安を受けて慎重なスタートが予想されます。
注目セクターとして、INPEX・三菱商事・三井物産など資源関連は原油高の恩恵を受ける形で
底堅い動きが続く見込みです。一方、ANA・JALなど燃料コスト敏感な航空株は引き続き軟調が続きそうです。
▶ 2026年3月6日の日経概況および今後の展望(世界一やさしい投資の学校)
ドル円、158円台で推移——円安が輸入コストを押し上げ
ドル円は158.11円で前週末を終えました。
中東情勢を背景にリスク回避の円買いが一時入る場面もありましたが、
米日金利差は依然として大きく、円安水準が続いています。
日銀は1月会合で政策金利を0.75%に据え置いており、次の利上げは2026年後半との見方が優勢です。
円安が輸入コストを押し上げ、ガソリン価格(全国平均 158.5円/L・3月2日時点)の高止まりが家計を圧迫しています。
▶ NYダウの振り返りと見通し(OANDA・2026年3月6日)
海外経済
米2月雇用統計が大幅悪化——スタグフレーション懸念が一気に浮上
3月6日(金)に発表された米2月の雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比 −9.2万人と、
市場予想(+5〜6万人)を大幅に下回る結果となりました。
失業率も4.4%へ上昇し(1月:4.3%)、雇用の冷え込みが鮮明になっています。
一方、平均時給は前年比+3.8%と賃金インフレは根強く、「物価が上がりながら雇用が悪化する」
スタグフレーションへの警戒が市場に広がりました。
さらに12月の就業者数はプラス4.8万人からマイナス1.7万人へ下方修正されており、
数字の信頼性にも疑問符が付く状況です。
FRBは利下げと利上げの板挟みに直面しており、今後の金融政策は一段と難しい判断を迫られます。
▶ 米就業者2月9.2万人減、市場予想大幅に下回る(日本経済新聞・2026年3月6日)
NYダウが453ドル安——原油高とスタグフレーション懸念で昨年12月来の安値
3月6日のニューヨーク株式市場は、ダウ工業株30種平均が前日比453ドル安の47,501ドルで引けました。
一時の下げ幅は900ドルを超える場面もありました。
中東情勢の悪化による原油急騰がインフレ再燃懸念を呼び起こし、
さらに同日に発表された雇用統計の悪化がダブルパンチとなりました。
高値圏から約3,500ドル(約7%)の調整となっており、テクニカル的にも重要な局面を迎えています。
▶ NYダウ453ドル安——原油高・雇用減の二重苦(日本経済新聞・2026年3月6日)
中東情勢・エネルギー
ホルムズ海峡が事実上の封鎖——第三次オイルショックの様相
2月末から続く米・イスラエルによるイラン攻撃(オペレーション・エピック・フューリー)を受け、
ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥っています。
世界の海上原油輸送の約4分の1、LNGの約5分の1が通過するこの海峡の混乱は、
エネルギー市場に深刻な影響を及ぼしています。
WTI原油は1バレル70ドル台後半と攻撃前比で約1割高く、
標準シナリオでは80ドル、リスクシナリオでは120ドルまでの上昇も想定されています。
日本郵船・川崎汽船などの大手海運会社はホルムズ海峡の通峡を停止しており、
物流コストの上昇を通じた物価高の加速が懸念されます。
一方でイランは米国に対して戦争終結条件の協議を提案したとも報じられており、
外交的解決の糸口が見えるかどうかが今週の最大の焦点です。
▶ イラン巡る軍事衝突、原油・ガス供給にどう影響(Bloomberg・2026年3月3日)
▶ 原油が上げ縮小、イランが米国に戦争終結条件の協議提案と報道(Bloomberg・2026年3月4日)
政策・見通し
FRBの政策判断が一段と難しく——「利下げ」か「据え置き」か二律背反
原油高によるインフレ再燃と雇用悪化が同時進行するなか、
FRBは「利上げはできないが利下げもしにくい」という最も難しい局面に立たされています。
金融市場は今年2〜3回の利下げを織り込みつつありますが、
中東情勢が悪化し続ければ、インフレ懸念が優先されて利下げが先送りされる可能性もあります。
次回FOMC(3月17〜18日)の声明文とパウエル議長の発言が注目されます。
▶ 3月の米雇用統計・今月の注目ポイント(ソニー銀行・2026年3月6日発表分)
日銀は利上げ見送り継続——次の一手は2026年後半か
日銀は1月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置きました。
中東情勢の不透明感や米国景気の下振れリスクを踏まえると、
次の利上げは早くても2026年後半という見方が大勢です。
円安が輸入インフレを通じて国内物価を押し上げている一方で、
内需の回復力は力強さを欠いており、日銀の政策判断は引き続き難しい舵取りが続きます。
著者コメント——和田康彦(佐賀大学名誉教授・投資歴25年)
今週最大のリスクは「スタグフレーション」という言葉が市場に定着してしまうことです。
米2月雇用統計は数字としては衝撃的ですが、中東有事という特殊要因のなかで発表されたデータです。
一時的な混乱を「構造変化」と誤読するのは投資判断において最も危険なパターンといえます。
原油が本当に120ドルに向かうならスタグフレーションは不可避ですが、
イランが既に米国に和平協議を打診したという報道が事実なら、
地政学リスクは想定より早く織り込まれる可能性があります。
「最悪を想定しながら最良に備える」。これが有事の相場における基本姿勢です。
個別株では、資源関連(INPEX・三菱商事・三井物産)の押し目は引き続き注目です。
原油高が続くなら増配・自社株買いの余力が増します。
一方、航空株・輸送株の反発局面は、有事の終息確認後まで待つのが賢明でしょう。
📚 関連Kindle本(和田康彦)
・まだ間に合う日本株投資——有事の相場でも生き残る個別株戦略
・皇帝の財務諸表——中国史から読む国家財政のリアル
・中国史は地理で決まる——ホルムズ海峡と中東の地政学を理解する背景として

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