【マーケット速報】2026年3月17日(火)朝

投資戦略ラボ
【マーケット速報】2026年3月17日(火)朝
日経平均:53,751円(3/16終値、前日比 -68円 -0.13%)
ドル円:159.05円(06:59時点)
NYダウ:46,946ドル(3/16米国終値、前日比 +388ドル +0.83%)
WTI原油:93.50ドル(リアルタイム、前日比 -5.21ドル -5.28%)

⚡ 本日の最重要ヘッドライン

  • イラン軍事衝突が継続——ホルムズ海峡の事実上封鎖が3週間目に突入し、原油タンカー68隻が待機中
  • IEA32カ国が石油備蓄4億バレル放出で合意、日本は3月16日から備蓄放出を開始
  • 日銀金融政策決定会合(3/18〜19)は中東情勢を見極め現状維持の公算大

【国内マーケット】

日経平均、3日続落——原油高が重荷も底堅い展開

 3月16日の東京株式市場で日経平均株価は前週末比68円46銭(0.13%)安の5万3751円15銭で大引けとなり、3日続落となりました。中東情勢の悪化によってWTI原油先物が一時1バレル100ドルを超え、企業業績を圧迫するとの懸念から売りが先行。一時700円超の下落幅を記録しました。しかし、値ごろ感を狙った買い戻しや内需株・半導体関連銘柄の上昇が下支えとなり、終盤にかけて大幅に下げ幅を縮小しました。

日経平均株価3日続落、終値68円安の5万3751円(日本経済新聞・2026年3月16日)

三菱電機が上場来高値を更新

 イラン情勢の緊迫を受けた防衛関連銘柄への資金集中が続くなか、三菱電機(6503)が3月17日に上場来高値を更新しました。同社は3月12日に防衛事業説明会を開催し、2031年3月期の防衛事業売上高6,000億円超・営業利益率10%超を目標とすると発表しており、成長期待が株価を押し上げています。

防衛・造船関連銘柄(SBI証券・2026年1月)


【海外経済】

NYダウは反発——エネルギー株高が支援

 3月16日(現地時間)のニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が前週末比387.94ドル(0.83%)高の4万6946ドルで取引を終えました。原油高を受けたエネルギー株の上昇と、石油備蓄放出合意を受けた供給懸念の和らぎが買い材料となりました。ナスダック総合指数も反発しており、中東リスクの長期化観測にもかかわらず、ひとまず市場に落ち着きが戻っています。

NYダウ指数情報(Yahoo!ファイナンス)

原油価格、IEA備蓄放出を受けて急落——WTI 93ドル台

 WTI原油先物は3月17日現在、1バレル93.50ドルと前日比5.21ドル(5.28%)急落しています。ホルムズ海峡封鎖によって3月12日には100ドルを超えていましたが、IEA加盟32カ国が石油備蓄4億バレルの放出で合意したことが売りを誘いました。ただし、タンカー68隻がペルシャ湾で待機を余儀なくされており、供給混乱が解消したわけではありません。

IEAの32加盟国が石油備蓄放出で合意(ジェトロ・2026年3月12日)

WTI原油見通し:ホルムズ海峡封鎖による供給不安(OANDA・2026年3月16日)

ホルムズ海峡の封鎖長期化——迂回ルートへの切り替え広がる

 米国・イスラエルとイランの軍事衝突は2月28日に開始され、3月17日現在も継続しています。ペルシャ湾内で待機するタンカーは68隻(開戦前比1.7倍)に達し、サウジアラビア経由の紅海ルートへの迂回が急増しています。IEAは今回の供給混乱を「世界の石油市場史上最大」と表現しており、事態の長期化リスクが引き続き警戒されています。

ホルムズ海峡、滞留する原油船1.7倍で海上倉庫化(日経ビジネス)

イラン情勢を受けた原油価格上昇の日本経済・国民生活への影響(野村総研・2026年3月13日)


【企業ニュース】

三菱重工、防衛事業で過去最高益へ——イラン有事で注目集まる

 三菱重工業(7011)は2026年3月期通期の売上収益を4兆8,000億円(前期比+10.1%)、事業利益を4,100億円(同+15.5%)と見込んでいます。防衛装備品の契約実績は2024年度で1兆4,567億円と業界最大規模を誇り、イラン情勢の長期化を背景に防衛関連への関心がさらに高まっています。

防衛関連銘柄一覧(株探)

日本の石油備蓄放出開始——過去最大規模の8,000万バレル

 高市首相は3月16日より、民間備蓄15日分と国家備蓄1カ月分の放出を開始すると発表しました。日本の原油輸入の93.5%が中東依存であり、ホルムズ海峡の事実上封鎖は国内エネルギーコストへの直接的な影響が懸念されます。石油備蓄の放出は短期的な価格緩和に寄与しますが、封鎖が長引けば対応余地には限界があります。

日本が石油備蓄を放出へ(Arab News Japan)


【政策見通し】

日銀会合(3/18〜19)——中東情勢を見極め、現状維持の公算大

 3月18日(水)〜19日(木)に日銀金融政策決定会合が開催されます。市場では、中東情勢の不透明感と原油高による物価押し上げ・景気下押しの二面性を鑑み、政策金利(現行0.75%)の据え置きを見込む向きが大勢を占めています。次の利上げ判断は、ホルムズ海峡の状況と原油価格の落ち着き次第という見方が出ています。

日銀金融政策決定会合の日程(2026年最新スケジュール)

政府、エネルギー安全保障の見直しを加速

 イラン情勢を受け、日本政府は中東依存度の引き下げと国内エネルギー源の多様化に向けた議論を加速させています。石油備蓄の放出や代替ルートの確保が当面の対応策となっていますが、原子力発電の再稼働促進や再生可能エネルギーへのシフトも中長期的な政策課題として浮上しています。

イラン情勢に関する政府の対応についての会見(首相官邸・2026年3月11日)


🪙 暗号通貨マーケット

BTC(ビットコイン):約1,190万円 / 約74,800ドル 前日比 +2.22%(3/15時点、minkabu)

ETH(イーサリアム):約37.8万円 / 約2,376ドル 前日比 +3.9%(3/16時点、minkabu)

※価格は3月15日〜16日時点(取得元:みんかぶ暗号資産)。ETHは地政学リスク回避の流れとは対照的に、現物ETF需要・企業購入の好材料を受けた急騰報道あり。

本日の暗号通貨ニュース


【著者コメント:和田康彦の視点】

 イラン軍事衝突が3週目に入り、ホルムズ海峡封鎖の長期化という前例のない事態が続いています。日本にとって原油輸入の93.5%が中東経由という現実は、今回の有事が他人事でないことを改めて突きつけています。

 WTI原油が一時100ドルを超え、IEA加盟国の備蓄放出で93ドル台まで下落しましたが、タンカー68隻がペルシャ湾に釘付けになっている状況は変わりません。備蓄放出はあくまで時間稼ぎであり、和平交渉の進展なしには根本的な解決にはならないという点が重要です。

 国内市場では日経平均が3日続落しながらも一時の大幅安から回復し、底堅さを示しました。防衛関連や半導体関連銘柄への選好は続いています。ただし、日銀の3月会合(18〜19日)は現状維持が濃厚であり、円安が159円台で続くなかで輸入物価への影響も無視できません。

 企業業績の観点からは、エネルギーコストの上昇が製造業・物流業・航空業の収益を圧迫する方向に働きます。一方で、エネルギー開発・備蓄・代替エネルギーに関連する分野は政策的な追い風を受けやすい局面です。現時点では不確実性が極めて高く、地政学的展開を慎重に注視する姿勢が求められます。


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