2026年度の日本の防衛関係予算は9兆353億円になりました。前年度比プラス3.8%。GDP比2%という目標を前倒しで達成しています。
ところが、企業の受注を決めるほうの数字は逆に動いています。三菱重工業の防衛・宇宙受注はマイナス10.3%。川崎重工業の航空宇宙システム受注はマイナス8.1%(2026年度予想はマイナス26.0%)。東京計器の防衛・通信機器受注はマイナス23.5%。防衛装備庁の中央調達総額そのものがマイナス17.4%です。
全部、減っています。予算は増えているのに受注は減っている。これは矛盾ではなく、はっきりした理由があります。そして、その理由を知らずに「防衛費が増えるから防衛株を買う」という発想で入ると、たぶん高いところをつかまされます。
今回は、防衛装備品バリューチェーンの上場30社の決算と、防衛装備庁の企業別契約データを突き合わせて整理しました。株価は2026年8月19日終値、財務は各社の直近本決算によります。
noteの記事では、次のような内容を扱っています。
- そもそも「防衛産業」という業種は存在しない――防衛比率は最大手の三菱重工でも23.0%
- 歳出ベース9兆353億円と契約ベース8兆2,607億円。企業の受注を決めるのはどちらか
- 受注は減っても売上は伸びる。三菱重工の受注残4兆632億円=売上の3.6年分という可視性
- 9兆円のうち20.7%がFMSで米国政府へ直行し、72.4%は競争のない随意契約という内訳
- 契約高上位10社のうち、単独で株を買えるのは6社しかないという構造
- 最大の発見――防衛の成長はキャッシュを食う。東京計器は5期中4期で営業CFがマイナス
- 質×割安の2×2で「お宝ゾーン」は空。防衛比率と総合順位が逆相関する理由
- IHIは民間航空エンジン株、SUBARUは自動車株。「防衛関連株」の実際の中身
- 2026年4月の武器輸出原則解禁と、2026年末の安保三文書改定という最大の分水嶺
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