2026年3月期、上場ゼネコン50社の合計は、売上高14兆981億円で前年度比プラス0.1%とほぼ横ばい。ところが純利益は1兆309億円でプラス47.5%、1.4倍になりました。純利益率7.3%は集計開始以来の最高です(東京商工リサーチ集計)。
売上が伸びていないのに、利益だけが跳ねた。つまり建設業の増益は「量」ではなく「単価」で起きています。
問題はその先です。2027年3月期の会社予想は、鹿島建設が営業利益マイナス16.9%、大林組がマイナス7.5%、大成建設が横ばい。スーパーゼネコン4社のうち3社が、増収でありながら営業減益ないし横ばいを予想しています。会社自身が、利益率のピークは越えたと言っているわけです。
今回は、東証上場の請負建設46社の決算を並べて整理しました。株価は2026年8月21日終値、財務は各社の直近本決算によります。結論を先に書くと、建設業は「成長する産業」ではなく「儲かるようになった産業」になりました。そして市場はその変化を、ゼネコンにはまだ半信半疑で、設備工事には全面的に値付けしています。
noteの記事では、次のような内容を扱っています。
- 「建設業」で検索すると出てくるのは住宅メーカー。しかも最大手の一角・竹中工務店は非上場
- ゼネコンは薄利(5.9%)、設備工事は厚利(11.0%)。その差が生まれる仕組み
- 増益の正体は「マイナスの解消」――2021〜22年に受注した赤字工事が完成して消えただけ
- 就業者は685万人から479万人へ。担い手不足が価格転嫁を構造的に強制している
- 需要が「箱」から「中身の設備」へ。きんでんは3期で売上プラス23%、営業利益プラス141%
- 「高収益×割安」を満たす請負建設会社はほぼ存在しない――惜しくも落ちた会社の並び方が示すもの
- 自己資本比率でふるうと、質ではなくサブセクターを選別してしまう理由
- 清水建設は純利益ではなく営業利益で見る(1Qは営業193億円に対し純利益553億円)
- 唯一「落ちていない」ゼネコン、長谷工コーポレーションの4期
- 施工力が買われる時代――インフロニアの三井住友建設TOB、きんでんの弘電社TOB
- データの罠――権利落ち前の株式分割が3社同時。大和ハウスのPER21.8倍は実は10.9倍
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