日本の化学メーカー48社を並べて営業利益率を見ると、最低は三菱ケミカルグループの0.8%、最高はデクセリアルズの33.5%でした。同じ「化学」という業種に分類されている会社が、40倍の開きの中に散らばっています。
中央値は8.8%ですが、この数字にはほとんど意味がありません。分布が二山になっているからです。石油化学・総合化学が0.8〜9%、機能化学・電子材料寄りが15〜33%。その間に連続性がありません。
そしてもう1つ。国内のエチレン稼働率は2026年4月に67.3%まで落ちました。過去最低です。採算ラインの目安とされる90%を、44カ月連続で割り込んでいます。4年近く、一度も届いていません。
今回は、東証上場の素材化学48社の決算を並べて整理しました。株価は2026年8月21日終値、財務は各社の直近本決算によります。結論を先に書くと、日本の化学セクターは「石油化学を捨てる会社」と「機能材料で稼ぐ会社」に分裂している最中で、市場はその分裂をほぼ正確に株価へ反映しています。
noteの記事では、次のような内容を扱っています。
- 「化学」で検索すると出てくるのは花王と資生堂。逆に東レと帝人は「繊維製品」で業種の外にいる
- 稼働率67.3%の背景――中国のエチレン能力は2030年に7,500万トン超へ。構造的な過剰であって市況の谷ではない
- クラッカー12基中4基の停止が確定。見るべき指標は営業利益率ではなく「何基止めたか」
- 三井化学の1枚の表――成長領域は11.6%で1,221億円、石化はマイナス184億円。連結4.4%はその混合
- 信越化学の中でも同じ分裂が起きている(電子材料3,445億円 vs 塩ビ1,648億円・前期比マイナス33%)
- ただしAIは化学全体を押し上げていない。高採算10社の多くは中小型の専業メーカー
- 2026年、ナフサが過去最高値に。会社予想EPSの前提が壊れやすい局面
- 主要12社中6社で「純利益÷営業利益」が0.5割れ。500億円の減損、ラービグ、米子会社減損
- 質と割安がきれいに反比例。「高質かつ割安」の象限はほぼ空だった
- PBR1倍割れ12社が語ること――総合化学3社がそろって0.9倍にいる意味
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