外食の売上はコロナ前に戻りました。ただし、客の数は戻っていません 日本の外食業界で本当に強いのは誰か

投資戦略ラボ

日本の外食業界の決算を44社分並べていて、いちばん引っかかった数字がありました。餃子の王将を運営する王将フードサービスです。3年連続で営業利益100億円超え、既存店売上は前年比プラス4.4%。ところが営業利益はマイナス4.5%の減益で、既存店の客数はマイナス0.8%でした。売上が伸びたのに、客は減っている。この一行に、いまの外食業界で起きていることが全部詰まっています。

日本フードサービス協会の調査によれば、2024年の外食売上は前年比プラス8.4%で、コロナ前の水準をほぼ回復したと言われています。ですが回復の中身を開けると、伸びているのは客単価であって客数ではありません。つまり「同じ人数から、より多くのお金をいただいた」のが回復の正体です。

外食には、食材原価と人件費を足したFLコストという言葉があり、これが売上の6割から7割を占めます。飲食店の94.6%が仕入れ価格の上昇に直面し、最低賃金は連続で上がっている。だから値上げをしても、上がったコストを埋めるだけで終わることがあります。同じ値上げという武器を渡されて、利益に変えられた会社と、客が減っただけの会社に、決算ははっきり分かれていました。

noteの記事では、次のような内容を扱っています。

  • 「回復」の正体は客単価だった――客数が戻らないまま売上だけが戻る構造と、居酒屋業態だけが未回復な理由
  • 売上の6〜7割が消えるFLコスト――卵1.5〜2倍、円安150円台、94.6%の店が仕入れ高に直面する二重苦
  • 3年連続で営業利益100億円を超えた王将が、それでも減益だった理由と、客数マイナス0.8%の重さ
  • すかいらーくの既存店プラス8%(客数プラス2%・客単価プラス6%)――配膳ロボット3,000台という答え
  • マクドナルドの既存店41四半期連続増、営業利益率12.8%、自己資本比率77%という別次元の質
  • 売上1兆2,640億円のゼンショーで、看板のすき家だけが営業利益マイナス62%だった構造
  • PER188倍をどう読むか――株価が高いのではなく純利益が薄い、という外食特有の落とし穴
  • 成長を買うなら海外――スシローの海外利益2.3倍、丸亀の海外718店、そして英国80億円の減損
  • 営業利益率7%超・PER25倍未満・自己資本比率50%超でふるいにかけたら、44社から3社しか残らなかった結果

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