商社株を営業利益率で選ぶと、業界の半分が画面から消えます 伊藤忠が三菱商事を抜いた2026年、変えるべきは物差しのほうです

投資戦略ラボ

2026年3月期、伊藤忠商事の純利益が9,003億円になりました。三菱商事は8,005億円でマイナス15.8%、三井物産は8,340億円でマイナス7.4%。伊藤忠が初めて商社の首位に立ちました。

さて、ここで普通のことをしてみます。「営業利益率が高くてPERが低い会社」という条件で、商社・卸売り38社をふるいにかけてみるのです。多くの投資家が最初にやることです。

結果はこうなりました。三菱商事、判定不能。三井物産、判定不能。住友商事、判定不能。双日、判定不能。営業利益が、そもそも存在しないのです。

この4社の時価総額を合計すると40.1兆円。セクター全体79.7兆円の、ちょうど半分です。営業利益率という物差しを持ち出した瞬間に、業界の主役が半分、画面から消えます。もっと分かりやすい例が伊藤忠で、この会社は営業利益7,019億円に対して純利益9,003億円。営業利益より純利益のほうが大きいのです。

今回は、東証上場の商社・卸売り38社の決算を並べて、このセクターの読み方を整理しました。株価と時価総額は2026年8月19日終値、財務は各社の直近本決算によります。

noteの記事では、次のような内容を扱っています。

  • 総合商社に営業利益が無い理由と、質の物差しをROEに置き換えると景色が変わる話
  • ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解すると、同じ「卸売業」に2つの商売が見える
  • 住友商事は純利益率8.18%×回転0.54回、日用品卸あらたは1.01%×2.89回。38社のROE中央値は9.3%
  • 「万年割安の商社株」の終わり――PBR1.5〜2.4倍、三菱商事の1年1兆円の自社株買い、バークシャー10%保有
  • 是正余地が残るのは卸の本体側。PBR1倍割れ5社はどこか
  • 「中抜き」で消えているのはトレーディングという行為であって、卸という業態ではない
  • 丸紅の最高益は資産入替、住友商事のセグメント利益総量はプラス5億円という中身
  • 兼松のROE15.6%はレバレッジ3.52倍で作られている
  • 稼ぎ頭がアフリカ(連結の25%)という豊田通商の特異な立ち位置
  • 株式分割の地雷――補正しないと住友商事がPBR0.4倍の超割安株として画面に出てくる

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