「米国の信用残高が過去最高を更新」というニュースを、この数か月で何度か目にされたと思います。気になったので、FINRA(米国金融取引業規制機構)が毎月公表している元データを取ってきて、1997年1月から2026年8月まで約30年分を自分で並べ直してみました。
指標を4つ作ったところ、そのうち3つが史上最高でした。ITバブルのときも、リーマンショックの前も、コロナ後の天井のときも、ここまでの数字にはなっていません。
金額は1兆4,540億ドル。ITバブル天井の3,000億ドル、リーマン前の4,160億ドル、コロナ後の9,360億ドルと比べて桁が違います。消費者物価指数で2026年8月のドルに揃えても史上最高、名目GDPで割った比率も4.5%で過去3回の天井(3.0%、2.9%、3.8%)をすべて上回りました。
いちばん驚いたのは4つめです。投資家が借りているお金を、証券口座に寝かせてある待機現金で割ると3.42倍。過去の天井は1.79倍、1.09倍、2.19倍でしたから、明らかに突出しています。引き算にすると、待機現金から信用買い残高を引いてマイナス1兆290億ドル。手元の現金より1兆ドル以上多く借りて株を持っている状態です。
ただし、ここからが本題です。「史上最高だから暴落が近い」とは言えません。信用買い残高は株価が上がると担保価値が増えて自動的に膨らむので、強気相場の後半には必ず史上最高を更新します。それ単体では「株価が上がりました」と言っているのとほぼ同じで、タイミングを当てる力はありません。
note記事では、次のような内容を扱っています。
- そもそも信用買い残高(margin debt)とは何か。日本の「信用倍率」に当たる公式統計が米国にない理由
- なぜ借金の量が暴落と関係するのか。追証が追証を呼ぶ連鎖の仕組みを、火事と燃料のたとえで
- 金額・インフレ調整後・GDP比・前年比・米国版信用倍率の5つを、過去3回の天井と並べた数字
- 増え方のスピードはすでにピークアウト済み(4〜5月の+54%から8月は+37%へ)。これが安心材料ではない理由
- 過去3回はスピードの山から株価天井まで0か月・3か月・9か月。ただしサンプル3つでは予測に使えない
- この指標が本当に教えてくれるのは「いつ下げるか」ではなく「下げたときにどこまで行くか」だという話
- 今回の危険は利上げ型ではなく長期金利上昇型。10年国債5.01%と、1987年ブラックマンデーとの類似
続きは、noteの記事でお読みください。図版(30年分の長期チャート4本)も載せています。
なお、これは暴落について調べた5本のうちの1本目です。2本目「暴落の先行指標」と3本目「米国株暴落の日本株への影響」も無料で公開予定、4本目「オルカン・指数ETFの扱い」と5本目「先物・オプションでのヘッジ」は有料とする予定です。
数値はすべて2026年9月22日時点で取得したものです。相場の予想ではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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