WSTS(世界半導体市場統計)が、2026年の半導体市場の成長率予測を前年比プラス89.9%へ大幅に上方修正しました。前回予測はプラス26.3%でしたから、途中で3倍以上に引き上げたことになります。素直に読めば「半導体の時代が来た、日本の半導体株を買っておこう」という話になります。
ところが、半導体そのものを設計・製造している日本の上場企業15社について財務データと株価を自分で集めて並べ直すと、この景気の良い話とまったくかみ合いません。営業利益率の最高値は37.2%。ところが中央値は4.3%、最低値はマイナス7.4%です。つまりこの業界の「普通の会社」は、ほとんど儲かっていないのです。
主力7社の前期の営業利益は合計で約1兆2,100億円ですが、そのうちキオクシアホールディングス(285A)1社で8,704億円、実に72%を占めます。さらに2026年4月から6月の3か月間だけで、この1社の営業利益は1兆2,700億円。主力7社が1年かけて稼いだ合計を、1社が3か月で上回りました。「日本の半導体が好調」という言い方は、実態としてほぼメモリ1社の話をしているのです。
noteの記事では、次のような内容を扱っています。
- キオクシアの四半期営業利益率71.9%の中身と、その裏側にある5つの構造リスク
- 同じ会社・同じ株価で、PERが50.9倍と8.5倍に分かれる理由――どの期の数字を使うかで結論が正反対になる
- ロームが1,936億円を消した理由と、減損では直らないもの――「SiCが来るからパワー半導体」というストーリーは何が外れたのか
- 富士電機の営業利益率11.1%は、実はパワー半導体の採算ではないという話
- 同じ中国リスクで直撃した会社(サンケン電気)と、ほとんど無傷の会社(ルネサス)――分けたのは技術力ではなく、AEC-Q100認証という時間の壁
- この業界のPERを信じてはいけない5つの理由(PER4.2倍と174.6倍が、どちらも罠である仕組み)
- 営業利益率5%超・PER25倍未満・自己資本比率55%超という緩い条件でふるいにかけたら、純粋な半導体専業で規模のある会社が1社も残らなかった話
本記事は有料note記事です。ここでご紹介したフックの続き(15社の数字の読み解き方と、主力7社の1社ずつの見分け方)は、noteでお読みいただけます。

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